
これらは各撮影コマ(サブフレーム)の品質を可視化したもので、どの画像をスタック(合成)に採用するか、あるいは重み付けをどうするかを判断するための重要な指標です。
青い棒は「採用(合格)」、赤い棒は「棄却(不採用)」、あるいは品質が低いことを示しているのが一般的です。
それぞれの指標の意味を解説します。
1. FWHM (Full Width at Half Maximum)
**「星の太さ」**を表します。
- 意味: 星の輝度分布の半分(半値幅)の直径をピクセル単位で測定したものです。
- 見方: 数値が小さいほどシャープでピントが合っており、大気の状態(シーイング)が良いことを示します。グラフが跳ね上がっている部分は、ピンボケやガイドミス、あるいは雲によるボケが発生したコマです。
2. Eccentricity (離心率)
**「星の歪み」**を表します。
- 意味: 星がどれだけ正円に近いかを示す数値です。「0」が完全な円を指します。
- 見方: 数値が大きいほど星が楕円形に伸びています。ガイドエラーで星が流れたり、光軸がズレたりしているとこの数値が悪化(上昇)します。一般的に $0.42$ 以下なら非常に良好、$0.5 \sim 0.6$ を超えると目に見えて星が伸びて見えます。
3. PSF Signal Weight (PSF信号重み)
**「画像の純粋な質」**を総合的に評価したスコアです。
- 意味: 星のシャープさと、背景ノイズに対する星の信号強度を組み合わせて計算されます。
- 見方: 数値が大きいほど高品質な画像です。PixInsightが「この画像は情報量が多いので、スタック時に重視すべきだ」と判断する基準になります。
4. Median (中央値)
**「画像全体の明るさ(背景レベル)」**です。
- 意味: 画像内の全ピクセルの明るさの中央値です。
- 見方: 急激に上がっている場合は、薄雲が通過して白っぽくなったり、街灯や月明かりの影響を受けたり、夜明けが近づいて空が明るくなったことを示します。逆に下がっている場合は、光害の少ない方向に筒が向いた可能性があります。
5. Stars (検出星数)
**「見えている星の数」**です。
- 意味: そのコマの中で正常に検出された星の総数です。
- 見方: グラフがガクンと落ち込んでいる場所は、雲がかかって星が見えなくなったか、あるいはひどいピンボケや結露で星が認識できなくなった可能性が高いです。
解析のアドバイス
アップロードされた画像を見ると、**赤い棒(不採用候補)**がかなり混じっていますね。特に、
- Medianが急激に高い序盤や、
- FWHMとEccentricityが同時に悪化している中盤以降に問題が集まっているようです。
これらを基準に、質の悪いコマをスタックから除外することで、最終的な作品の解像感とS/N比を劇的に向上させることができます。
